在庫有!中東サーベル&ライオン銀貨【信仰と正義】が交錯するメタファー

02中世

ゴールド急騰と軍事緊張で世界が揺れる今、歴史の中で繰り返される「信仰と正義の名のもとに行われる戦争」。
今回はイランとイスラエル双方にとって深い意味を持つシンボル《ライオンとサーベル》を、1902年発行のイラン5000ディナール銀貨を通して考えます


在庫有!中東 サーベル&ライオン【信仰と正義】の操縦をコインから考える

中東の火種と“ライジング・ライオン”作戦

6/13発動の“Rising Lion”作戦で、イスラエルはイランに対し、核・ミサイル施設へ200機超の空爆を敢行、IRGC高官や科学者らを多数殺傷。

イランは数百のミサイル・ドローンで応戦。1週間ですでにイラン側では600人超死者、市民避難が続き、国際社会は緊張に包まれている。

ーー もちろん戦争を作るのは、信仰と正義の名を借りたステークホルダー(利害関係者)なわけで……。

その構図、歴史とともに繰り返す…。
中東とっての《ライオン》とは何なのか?
ライオンを操る者たちとは?
コインと一緒に考えます!

紹介するコインは
1902年発行【MSー63】
イラン5000ディナール銀貨
太陽を背にサーベルを持つライオン
.900 fine(銀本位制時代)

何が買えた?
・パン約500斤
・労働者15-30日分の賃金
・卵1000-2000個
※ 一般庶民の生活にほぼ登場しない高額銀貨。献上品・祝儀・贈答用、王宮内決済、大型取引に使われた。
銀貨では最高額面。

イラン╱イスラエル両方に深い関わりを持つ《ライオン》とは何を示すのか?

イランにおけるライオン&サーベルの意味

イランにとってのライオン
▶︎コイン界隈で「サーベルライオン」といえば、よく知られるのが19-20cのイラン国章。
《ペルシャ的王権、太陽信仰+獅子王》の象徴がルーツです。

通常イスラム教では偶像崇拝NGではあるものの、ゾロアスター教から続くペルシャ的メタファーとして使われてきていました。

サーベルは正義の行使を表す
ライオンは正統な権威、勇猛さを表す太陽太陽神ミスラと王権▷のちに正統カリフとしてのアリー

19世紀中盤カジャール朝〜1979年までのパフラヴィー朝の銀貨では、中央に「剣を持つライオンと太陽」のデザインが多く確認されます。

▶︎ イラン革命以降は「王政的╱象徴的╱反イスラム的」として使用禁止になったものの【誇りの象徴として国民に根強く残る】

▶︎サーベルは「ズルフィカール(神の剣)」として今も国旗に残る


イスラエルにおけるライオン&サーベルの意味

▶︎ 《ユダヤ王家・ユダ族の紋章》としてのライオン。
ユダ族とは、古代イスラエル12部族の中で最大・最重要の家系。旧約では「王の家系」、つまりダビデ王&ソロモン王のルーツ!

ライオン=神に選ばれし王族の末裔、子孫たちの誇り。
現代でもエルサレム市章などに描かれる
(「力+神聖+正統性」の三位一体を表す)

サーベル=サーベルはイスラエルでは【自衛と先制攻撃の象徴】こちらはIDF(イスラエル国防軍)のエンブレム。「神の守護+自衛の剣」

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つまり《ライオンとサーベル》は中東の両国にとって軍事・信仰・国家理念の全部にかぶさる、強力なシンボルってことなのです。

コインに刻まれたメタファーと戦争の構図

【正義と正義のぶつかり合い】
《この世界のライオンは我らしか要らん》
巨大な金融資本を後ろ盾にした、独善的な軍事作戦名にも、メタファーへの強い思い入れを感じ取ることができるのでは?? …

…まぁ、ちなみにお察しの通り、宗教の歴史を考えると、ライオンシンボルの使用は、イラン圏のほうが500年くらい古いのですが

そんなこんなで、
次は別のコインを紹介しながら、
《戦争が作られる構図》をもっと解像度あげて深掘りしますね

この記事の要約ポイント3つ

  1. 1902年発行イラン5000ディナール銀貨は「王権+太陽信仰+正義」を象徴するサーベルライオンを刻んだ高額銀貨。
  2. ライオンはイランではゾロアスター由来の王権・勇猛の象徴、イスラエルではユダ族・王家の象徴として機能。
  3. 両国の宗教的・国家的シンボルが重なり、現代の軍事作戦名や政治的メッセージにも通底するメタファーとなっている。

引用元
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