こんにちは!
「地金型金貨はないの?」と店頭で聞かれることが増えています😆
すみません、うちはマニアック専門店です💦
ラインナップの多くは、“歴史物語の証人たち”なんです。笑
ということで久々のコイン紹介🪙
今回は──15世紀オランダ東部・ゲルダーランド公国のフローリン金貨をご紹介します✨
⚔️ 欧州の“南北朝時代”を映すコイン
15世紀初頭のヨーロッパは、
まるで日本の南北朝時代のように、
宗教権威と新興勢力(金融貴族)による主導権争いが繰り広げられていました。
当時のオランダ東部、ゲルダーランド公国は、
フランス系ブルゴーニュ公国(金融貴族)と
神聖ローマ帝国(伝統派)の狭間に存在する“小国大名”的な立場。
🪙 Coin Data
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行 | ゲルダーランド公国(アーネム造幣) |
| 発行者 | レイナルド4世(在位1402–1423) |
| 品位 | MS64/金3.35g |
| 図柄 | 洗礼者ヨハネ像/二頭鷲+三つの盾 |
| 用途 | 国際決済・傭兵給与・外交ギフト・権威表示 |



💰信仰を盾にした“忠誠のメッセージ”
この金貨に描かれる痩せた洗礼者ヨハネ。
その姿は一見、貧弱にも見えますが──
実はそれこそがメッセージ。
「我らは神聖ローマ帝国の清廉な忠臣である」
そんな“信仰の純粋性”をアピールするためのデザインなのです。
一方で、フランスでは“親英派”ブルゴーニュ公が
富と金融を握り、北欧からネーデルラントへ支配を拡大。
剣ではなく融資と帳簿で支配する金融の時代が始まりつつありました。
🏯 経済で動く戦国ヨーロッパ
日本史で例えるなら──
「足利幕府が商人ギルドを駆使して朝廷をコントロールしていた」ようなもの。
そんな中、板挟みとなったレイナルド4世は、
帝国への忠義を示すため“神聖”な金貨を発行。
「教会の加護と信仰を盾に、魂は金融に売らぬ」
まさに一本気な地方領主の仁義。
その気骨が、この1枚に込められています。
📜時代の転換点、ラスト中世の証人
こののち、ヨーロッパはブルゴーニュ→ハプスブルクへと覇権が移り、
金融と戦争が直結する「近代」へ突入。
つまりこの金貨は、
中世最後の“仁義と信仰”の象徴であり、
金融覇権時代の序章を告げる証人でもあります。
聖性漂う洗礼者ヨハネ⛪️
時を超えたMS64の輝きは、静かな抵抗の美学そのもの。
参考



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