偶像崇拝を禁じるイスラム教国だけど、独立記念のこのときだけ肖像刻まれたのがポイント)

モロッコ モハメド5世 1956(単年)
500フラン
.900
27.5g
パリ鋳造
独立を宣言しつつ旧宗主国での鋳造。

イスラム教国で肖像が描かれたレア意匠
モロッコ王国
シャリーフ王朝の復活
五芒星(スレイマン)の印
西洋から勝ちとった独立、
汎イスラム世界への名乗りがわりの銀貨として。
帰還した王家

「スレイマンの星」(スレイマンの印章、ソロモンの星とも呼ばれる)は、モロッコ国旗に描かれている緑色の五芒星。
国家の安泰と神の加護の象徴
イスラム教の聖典『クルアーン』に登場する預言者スレイマン(ソロモン王)に由来、古くから幸運のシンボル
◆ 1956年──モロッコ独立の激動期
第二次世界大戦が終わり、世界中で植民地の独立運動が高まるなか、モロッコは長くフランスの保護国として統治されていた。
しかし1950年代に入り、王統シャリーフ家への支持、民族運動、宗教的復権、国際世論が合流し、一気に独立へ加速していく。
この時代の中心に立っていたのが、のちに「国父(Father of the Nation)」と呼ばれるモハメド5世である。
彼はフランスに亡命させられながらも、民族の精神的支柱として尊敬され、1956年にはついに独立が実現。王家は“帰還”し、モロッコは再びイスラム世界の一員として立ち上がった。
この銀貨は、その歴史の最も象徴的な瞬間に発行された。



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