【ショーケース裏のコインたち】モロッコ1953年 100フラン銀貨

04現代

◆ 1953年という“特別な年”

1953年のモロッコは、独立運動が急速に高まった年であり、同時に大きな悲劇が起きた年でもある。
それが、モハメド5世追放事件

モロッコ民族の精神的支柱であり、イスラム世界とシャリーフ王家の正統性を体現する存在だったモハメド5世は、フランスからの独立を後押しする立場を取った。その結果、フランス当局は危険視し、1953年に彼を国外追放した。

国民の怒りは頂点に達し、この後モロッコの独立運動はさらに激化。
“1956年の独立へとつながる直接的な“導火線”となった。

この銀貨は、まさにその“嵐の直前”に発行された。


モロッコ(仏領) 1953
100フラン銀貨
.720
silver coin
“シャリーフ王国 神からの勝利 近き開放”
五芒星 & 六芒星
多文化、多民族共生の理想?
王、同年フランスにより追放。

EMPIRE CHERIFIEN(シャリーフ帝国)モロッコの王家が「預言者ムハンマドの血統である」という主張。
最大の“権威の証”。
1372C(ヒジュラ暦)併記
イスラム世界と西洋の時間軸の交差を象徴
※ヒジュラ暦(イスラム暦)とは?イスラム世界が使う 独自の暦。西暦とは全く別物。

1953(西暦)

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