🇬🇧庶民のガス抜き? “財布の中のプロパガンダ” で革命を回避したロンドン
こんにちは😇
久しぶりのコイン紹介です。
今回入荷したのは、
歴史性バキバキの激レア・私鋳トークン《MS64》。

その時代、その場所でしか生まれない “政治と経済の空気を封じ込めた金属片” です。
舞台は──
フランス革命の風圧が届き始めた、18世紀ロンドン。
今日はその空気に軽くtripしてみましょう🌬️🗺
🔢貨幣データ & 当時の購買力
Middlesex 1/2 Penny Token(1788)
- 材質:真鍮(スカラップ型)
- 発行地:ロンドン(ミドルセックス)
- 銘文:
- 「ウィリアム3世、神の恩寵による王、1688」
- 「名誉革命(1688)100周年記念」
1/2ペニーの価値
=パン1個/ビール半パイント
つまり “必ず庶民の手に触れる” 超日常銭。
だからこそ、これは 意図的に作られたプロパガンダ媒体 でもあったと言われます。
🕰革命前夜のロンドン:不安とざわつきの時代
1788年。
海の向こうではフランス革命の直前。
イギリスは
「革命がこっちに飛び火するのだけはマジで困る」
というムードに包まれていました。
- 産業革命の影でスラムが急拡大
- 治安悪化、貧困層の不満
- ジョージ3世の精神疾患で政局が混乱
庶民の鬱憤はたまる一方。
そんな “空気の悪い時代” に市場へ出回ったのが…
商人たちが勝手に鋳造した“王室リスペクトの私鋳トークン”。
財布の中で王の顔が目に入る。
それが毎日の習慣になる。
=新聞を読まない庶民に向けた
「ポケットの中の政治メディア」
だったのです。
👩💻18世紀の“ステマ構造”がここにあった
現代で例えるなら…
王室=裏の依頼主
商人=インフルエンサー
金匠(両替商)=金融プラットフォーム
庶民=受け手(生活者)
完全に “ステマの原型” と言える構造👇
🔵 王室
名誉革命100周年で「正統性強化」したい時期。
↓
庶民は無意識に王室の物語を思い出す。
🟡 商人(地元インフルエンサー)
自分の店の知名度が上がる。
地域通貨を発行する感覚で利益も出る。
↓
広告 × 通貨 × 政治マーケのハイブリッド。
🟢 金匠・両替商
小銭が増えると商売が潤う。
↓
現代で言う「○○Pay運営」に近い。
⚪ 庶民
意味は分からなくても、小銭が回れば生活が回る。
↓
日常と政治が自然につながる。
こうして
非公式プロパガンダ × ステマ × 地域通貨
の文化が18世紀のロンドンに自然発生しました。
🧭そして歴史は“革命”ではなく“金融”へ向かった
結果としてイギリスは…
- 血の革命は起こらず
- 王室も倒れず
- むしろロンドンが “金融の都” として台頭
つまり、
暴力革命ではなく “金融革命” を選んだ国
になっていきます。
そんな時代の “空気の粒子” が、この1枚の真鍮トークンに詰まっている──
そう思うと、18世紀の庶民の息づかいまで感じられますね😌


🧩まとめ:18世紀ロンドンが選んだのは「革命」ではなく「金融」だった
今回の 1788ミドルセックス1/2ペニートークン(MS64) は、
単なる小銭ではなく、
庶民の手を通して政治・歴史・王室の物語を流し込む“プロパガンダ媒体” でした。
- 名誉革命100周年という“正統性”の物語
- 商人・両替商が担ったインフルエンサー的役割
- 庶民が毎日触れることで育まれた無意識の政治感覚
- フランス革命の影が迫る中で、暴力革命を避けた英国の選択
- 結果としてロンドンが“世界の金融首都”へと進化していく流れ
この1枚には、
18世紀の空気、庶民の暮らし、政治の匂いまで凝縮 されています。
コインは“歴史の化石”ではなく、
当時の人間ドラマそのものが固まったメディア
だということを改めて感じさせてくれる逸品です。
参照



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