【入荷してます🐎古代ローマのクアドリガ】
古代コインの“絵柄解説シリーズ”を今回もお届けします🥰
デザインの意味を知ると、コインの世界は一気に奥深く、そして面白くなるもの。
今日は、知っているようで知らない“四頭立て戦車・クアドリガ”について。
四頭の馬が牽く神々の戦車
クアドリガは、もともと神話に登場する乗り物で、
「神々が天を駆けるとき」に描かれる象徴的なモチーフ。
太陽神アポロン、勝利の女神ニケなど、光・勝利・神性を体現する存在の“神々のリムジン”とも呼べる存在です🐎✨

コインに登場し始めるのはいつ?
クアドリガが貨幣で多く使われるようになるのは、
共和政ローマ末期といわれています。
この頃の議員・将軍・造幣官たちは、
「自分こそローマに勝利をもたらす存在だ!」
とアピールしたい時代背景がありました。
そのため、裏面に《勝利の象徴》であるクアドリガを刻んだ
銀貨デナリウスが大量に発行されていきます。

転機は“カエサル暗殺”——皇帝を神へ導く戦車へ
紀元前44年、カエサルが暗殺された事件をきっかけに、
クアドリガの意味は大きく変化します。
後継者アウグストゥスは、
「カエサルは神となった(アポテオーシス)」
と宣言。
ここからクアドリガは
- 神の乗り物
↓ - “神となった皇帝”を天へ運ぶ戦車
という新たな象徴へと変貌。
「偉大な皇帝は逝去したが、その威光とローマの安定は続く」
そんなメッセージを込めた図像として受け継がれ、
帝政ローマ末期まで長く使われ続けます。


中世で姿を消し、近代国家で復活するクアドリガ
中世ヨーロッパでは、
カトリックの台頭により“皇帝の神格化”が避けられたため、
コインからクアドリガは一度姿を消します。
しかし近世〜近代になると、
ナポレオン、ドイツ帝国、イタリア王国などが
「我こそローマ帝国の後継者」と主張するために再び採用🔥
凱旋門や大判メダルにクアドリガが描かれるのは、
まさにこの“ローマへの憧憬と継承”の象徴と言えます。
時代ごとに変わるクアドリガの意味
- 神話時代:神々の乗り物
- 共和政ローマ:勝利の象徴、政治的アピール
- 帝政ローマ:皇帝の神格化(アポテオーシス)
- 近代国家:ローマの後継者アピール、国家の威信
時代の権威や価値観の変化に合わせて、
クアドリガは役割を変えながら生き残ってきたシンボルなのです。
入荷してます🐎 “クアドリガ銀貨”いろいろ取り扱い中
古代から近代まで、クアドリガ関連の銀貨を現在入荷しています。
馬の戦車に込められたロマン、ぜひお楽しみください🕊️🤩
【まとめ(3ポイント)】
- クアドリガは神話の象徴がローマの政治プロパガンダへと転用されたモチーフ
- カエサル暗殺後、皇帝を“神へ運ぶ戦車”として意味が深化
- 中世で消えるが、近代国家が権威表現として再び復活させた
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