【ショーケース裏のコインたち】1969年チュニジア銀貨シリーズ解説|ハンニバル・スベイトラ・エルジェム・ユグルタ

04現代

1969年のチュニジア

1956:フランスから独立
1957:ブルギーバが初代大統領
1960年代後半:アフリカ諸国の“民族ルネサンス”が流行
1969:チュニジア政府が「古代カルタゴの栄光」+「ローマ遺跡」+「民族英雄」
をコインデザインに採用して “歴史の継承者アピール” を世界へ発信

ハビーブ・ブルギーバ

フランスに留学してフリーメイソンに育てられた”独立の英雄”

1956年にチュニジア独立を達成。1957年から初代大統領として改革を進め、文化政策も展開

フェニキア人としての歴史ある国という文化遺産を強調することで西洋と渡りあえる国ということを証明した。ちなみに、旧宗主国のフランスに頼らず米国とイタリアで鋳造したことも”外交的な名刺” という策士でもある。

ただし晩年は老害独裁君主として国民に嫌われた

ジュグルタ(JUGURTHA/ヌミディア王)

チュニジア 1969

1ディナール
銀貨
Silver Coin

英雄 ジュグルタ
古代ローマへの反旗
現代の独立。
西洋への独立性のメッセージ

※Jugurtha(ジュグルタ)
紀元前2世紀
北アフリカ(今のアルジェリア〜チュニジア)
知略・外交・裏切り・金で動くローマ人をうまく利用した天才
ローマとの戦争(ジュグルタ戦争)の主役
今では“ローマに屈しないアフリカの国家主権の象徴”

ハンニバル(象軍)

チュニジア 1969
Silver Coin
1ディナール銀貨

民族的英雄ハンニバル。
古代と独立後の国家の連続性

※ハンニバル
紀元前247年〜紀元前183年
「古代チュニジア(カルタゴ)の国家的英雄」
ブルギーバ大統領(チュニジア建国の父)が“国家の原点を古代に求める” 政策を行った。

スベイトラ(Sbeitla)神殿・凱旋門

チュニジア 1969

1ディナール銀貨
Silver Coin
遺跡都市スベイトラ
古代ローマ時代の神殿都市
国家の歴史的正統性


※スベイトラ(Sbeitla)神殿・凱旋門
ローマ帝国が1〜3世紀に建設。帝国支配を示すための都市施設で、神々への奉献と権威誇示が目的

今も遺跡として残存。神殿・門・広場が現地で見学でき、チュニジア屈指の保存良好なローマ都市遺構

エル・ジェム円形闘技場(EL-JEM)

チュニジア 1969

1ディナール銀貨
Silver Coin

El-Djem闘技場
古代ローマ 北アフリカ最大の闘技場。

歴史性の再確認。

¥6000


エル・ジェム円形闘技場は3世紀頃にローマ帝国が建設した巨大闘技場。民衆の娯楽と権力誇示の場として使われ、現在は世界遺産として保存され内部も見学できる。

古代ローマ遺跡から英雄たちまで、チュニジアの歴史を象った魅力的な銀貨たち。ショーケースでは、これらの物語を宿した実物コインを間近でご覧いただけます。

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