20世紀の幕開けに発行された「1901年プロイセン建国200周年記念銀貨」。初代王フリードリヒ1世とヴィルヘルム2世が並ぶデザインには、国威発揚の意志と歴史的アイデンティティが刻まれています。本記事では、この銀貨の特徴と背景、そしてロシアとの紋章や成り立ちの違いから見える深い歴史関係を解説します。
【RussiaとPrussiaロシアとプロイセン】 いつも大量の入荷商品と格闘中のTLCです



プロイセン建国200周年記念銀貨の基本情報
大なり小なり、コイン界隈の中でも商品の回転が速い店という自負はありまして、お陰様で、とってもありがたいことです
さて、今日紹介するのは……?
1901年 プロイセン建国200周年記念銀貨 「FRIEDRICH I 1701 WILHELM II 1901」 直径28 mm、銀90%、重さ11.11 g。 単年発行、約260万枚鋳造。
デザインに込められた国家の威信
ヴィルヘルム2世と初代王フリードリヒ1世が並んだデザイン
ほんのりトーンがかって味わいが出ている、美品のシルバーコインです! 20世紀の始まりーー工業・軍事路線が進むバックグラウンドの中、国内外に対し、国家の威信と国威発揚の象徴として硬貨のメディア的なエフェクトを利用した記念すべき1枚。
「我らドイツ帝国は、文化・歴史・君主制の正統性を持った文明国である。その証として、王たちの肖像をこの銀貨に刻む。」 ちなみに……。恥ずかしながらコインに関わるまで、Prussiaがプロイセンのことだと知らなかったワタシです。 位置も時代も近いし、国章もなんか似てるし。 (ロシアは神聖ローマ由来の「双頭の鷲」プロイセンは「単頭の黒鷲」) なので気になって調べた
PrussiaとRussia──似て非なる語源と由来
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◾︎語源がぜんぜん違う
「ルーシ人(Rus’)」と呼ばれたのが、ギリシャ語では「Ῥωσία (Rhōsía)」と書いたためロシアという呼称に。
ポーランド北部〜リトアニア南部に居た少数民族「オールド・プルーセン人」が由来 ◾︎紋章の意味はほぼ真逆
東西2つの世界を見張る鷲=教会と国家、神権と皇権の融合。ビザンツ帝国の後継者の自負
「軍人による秩序」宗教じゃなく軍事と国家による統制を目指す
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現代に続く“仲の悪い従兄弟”関係
このときの《アイデンティティの対比》が、現代まで尾を引いていて 対立と共鳴を繰り返してきた、けど深い縁 “仲の悪い従兄弟”ってイメージ!
〜現代〜
プーチン体制=帝政×ソ連のハイブリッド復活
ドイツ=EUの秩序と理性の中核(元をたどればプロイセン的) そんなこんなで本日も歴史のシニカルが面白い! こちらの商品ほか、おすすめの銀貨は、値段をつけて土曜に店頭に出します。ここ1ヶ月で地金相場も上がってますし、重量感のある質の高い銀貨、買うなら今ですよ〜

とくに、歴史性&状態の良さを兼ね備えた19-20世紀初頭のsilverコイン、超狙い目です
この記事の要約ポイント3つ
- 1901年のプロイセン建国200周年記念銀貨は、国家の威信を象徴する美品の単年発行コイン
- PrussiaとRussiaは語源も紋章の意味も全く異なる
- 歴史的背景から現代政治までつながる両国の関係は“仲の悪い従兄弟”のよう
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