第一次大戦・第二次大戦、帝国の絶頂と崩壊、そして“静かな支配構造”。
英国とその植民地で発行された銀貨には、歴史書には書かれない もう一つの物語 が潜んでいます。
表向きは「王の肖像」や「国の紋章」。しかし裏側には、帝国の拡張・資金循環・植民地統治の“痕跡”が金属の波動として残っている。
今回紹介する銀貨たちは、帝国のエネルギーのピーク、金融システムの転換、そして植民地の“不都合な真実” を、静かに物語っている存在です。
英国本国・カナダ・ガーンジー島などで発行された銀貨をご紹介
時代は英国の 支配→繁栄→疲弊→信用の崩壊→資金逃し の流れ。
| コイン | 時代の波動 | 帝国の状態 | 金融構造 |
|---|---|---|---|
| 1902 | 繁栄の残り香 | 安定ピーク | 銀貨の黄金時代 |
| 1903(ガーンジー) | 裏面操作 | 植民地金融の拡大 | 税制回避の起源 |
| 1908 | 崩壊前兆 | 外圧増加 | 戦争前夜 |
| 1918 | 終戦の疲弊 | 帝国エネルギー枯渇 | 純銀貨の終わり |
| 1920 | システム崩壊 | 新時代への強制移行 | 銀→信用貨幣へ |
| 1939(カナダ) | 代理王権 | 英国からの自立 | 新世界の台頭 |
イギリス 1902,1908(エドワード7世) 3ペンス .925
1902年
ヴィクトリア女王没後 → 帝国の黄金期終了
エドワード7世の治世は「貴族文化の最終形」
オークの葉は 権威と安定 を示す

イギリス 1902(発行初年)
エドワード7世
ヴィクトリア崩御後の戴冠年
ウラ面のオークの葉のリースは安定と繁栄を示す
3ペンス
銀貨
.925
1.41g
1908年
帝国の秩序がギリギリ維持されているが
国内外で衰退の兆候が見え始める時期
この後、第一次世界大戦へ突入する“嵐の前”

イギリス 1908
エドワード7世
帝国の秩序は維持されつつも、国内外で崩壊と変革のきざし。
3ペンス
銀貨
.925
1.41g
イギリス 1918 フローリン銀貨(ジョージ5世)
- 第一次世界大戦の 終戦の年
- 英国が「金が尽きてきた」最後の局面
- 1919以降、銀の品位も落ち始め、”純銀貨の最後の世代”

イギリス 1918
ジョージ5世
4つの国の盾
フローリン 銀貨
Silver Coin .920
終戦年の発行
帝国最後の純銀フローリン
¥4500

ONE FLORIN
1918
4つの盾
イングランド・スコットランド・アイルランド・ウェールズ
イギリス 1920(ジョージ5世) 3ペンス
“銀本位制の崩壊”の決定打
市場価格と額面が乖離し、ついに
銀貨の時代が終わる

イギリス
1920(シリーズ銀年? →*恐らく“銀年=純銀終了年”の意図)
ジョージ5世
銀の価値と額面の乖離
直後に改鋳が行われ、銀本位時代最後の小型貨幣となった
3ペンス
銀貨
.925
1.41g
カナダ 1939 1ドル(ジョージ6世)
第二次世界大戦突入の年
カナダは英国の自治領だが、実質独自国家へシフト
国会議事堂(パーラメント)はその象徴(ラテン語)

カナダ 1939
ジョージ6世
銀貨 .800
Silver Coin
帝国代表としての
オモテの顔と静かなる自治表現という
ウラの顔。
新世界で国家主権をめざす
¥5500

FIDE SVORVM REGNAT
彼はその民の信仰で治める
CANADA
1939
1 DOLLAR
国会議事堂
ガーンジー島 1903 8ダブルス(英国領)
英国王室領(チャネル諸島)
ガーンジー島・ジャージー島は
近代のタックスヘイブンの原型
英国の“見えない金融回路”の一部

ガーンジー島(英王室領) 1903
英国のタックスヘイブン
王への忠誠、宗主国
帝国の汚れた資金を洗浄するマネロン港
8ダブルス
銅貨
¥4200
3ポイントまとめ
- 英国と植民地の銀貨には、王権・金融・支配のメッセージが隠れている。
- 純銀貨の終焉や自治領の独立気運など、時代の“断層”が金属に刻まれている。
- ガーンジー島などの周辺領では、帝国の裏側の資金ルートまで読み取れる。



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