① 🇺🇸 アメリカ ― Civil War Token(1861〜1864年)

南北戦争中のアメリカでは、金銀貨だけでなく1セント硬貨まで人々が手元にため込み、市中から小銭が不足しました。
そこで商人や民間業者が、「1セントの代わりになるものを自分たちで作ろう」として発行したのがCivil War Tokenです。
商店広告、愛国的な標語、政治的な図柄など種類は非常に多く、戦時下の社会や人々の暮らしをそのまま映したようなトークンです。
② 🇬🇧 イギリス ― Conder Token(1787〜1797年)

18世紀末のイギリスでは、産業革命によって商取引や労働者への賃金支払いが増え、小額貨幣が深刻に不足しました。
そのため鉱山会社、商店、企業などが、Penny・Halfpenny・Farthingの代わりとなる私製トークンを発行しました。
「Conder」という名前は発行者ではなく、1798年にこれらを体系的に記録したJames Conderに由来します。
都市景観、船、動物、建物、政治風刺など図柄が非常に豊富で、18世紀イギリスの社会そのものを楽しめるジャンルです。
③ 🇮🇳 インド ― Temple Token

Indian Temple Tokenは、ヒンドゥー教の神々や寺院、聖地などを描いた宗教的なトークンです。
通常の国家発行コインとは異なり、巡礼の記念や護符として作られ、「訪れた聖地や神様との縁を持ち帰る」という意味を持っていました。
代表的なのがRamatanka(ラーマタンカ)で、ラーマ、シーター、ラクシュマナ、ハヌマーンなどが描かれたものが有名です。
18〜20世紀のものが多く、銀・銅・真鍮など材質もさまざま。特に18〜19世紀の古い銀製ラーマタンカは、手打ち貨幣のような雰囲気があり、コレクションとしても面白い存在です。
④ 🇫🇷 フランス ― Jeton(ジェトン)

フランスのJetonは、もともと中世に計算盤の上で使う計算用カウンターとして使われていました。
その後17〜18世紀になると、王室、官庁、海軍、都市、議会、商工会議所、銀行、貴族などが発行する、記念品や組織の権威を示す小型メダルへと発展していきます。
つまり、
計算道具 → 組織の配布品 → 記念・宣伝・権威を示すメダル
という歴史を持つトークンです。
ルイ13世からルイ16世、フランス革命、ナポレオン、王政復古まで、フランス史そのものが図柄として残されているのも大きな魅力。
国王肖像だけでなく、神話の神々、船、都市景観、紋章、王冠などデザインも非常に多彩で、特に17〜19世紀の銀製ジェトンや八角形ジェトンは見た目の美しさでも人気があります。

