【ショーケース裏のコインたち】EU諸国🇪🇺統合時イニシアチブへの思惑あふれる自国ブランディング銀貨たち

ヨーロッパ各国がEU統合を見据える中、
“自国はこういう国なんだ” と世界へ発信するために作られたのが、今回の銀貨たち。

どれも国家アイデンティティ・歴史・文化・価値観がギュッと刻まれた ブランディングツール そのもの。

“EU統合の時代に、各国が自国の物語をどう見せたいか”

スウェーデン 1897年 オスカル2世 在位25年記念 2クローナ銀貨

1897年に開催された ストックホルム万国博覧会。近代国家スウェーデンのアピール。「銀貨の質の高さ＝国家の財政の安定性」を示す武器でもあった。
1897年のスウェーデンは、工業と貿易で金を稼ぎ、国際中立と財政黒字で“信用国家”の地位を固めつつあった絶頂期。その象徴が「オスカル2世 在位25年記念 2クローナ銀貨」

スイス 1976年 ムルテンの戦い300年記念 5フラン硬貨

1476年のムルテン勝利で“スイス兵の強さ”が世界に知られ、その500年記念として1976年に発行された5フラン硬貨。

スウェーデン 1966年 二院制議会100周年記念 5クローナ銀貨（グスタフ6世）

1966年に発行されたスウェーデンの記念銀貨。1866年に導入された“二院制議会”の100周年を祝うためにつくられた5クローナ銀貨で、表には立憲君主として知られるグスタフ6世、裏には「二院制議会創設を記念して」と刻まれている。

オーストリア 2003年“Austria and its People” シリーズ、シェーンブルン宮殿 & 民俗舞踏 10ユーロ銀貨

2003年の10ユーロ銀貨は、民俗衣装とシェーンブルン宮殿を描いた「Austria and its People」シリーズで、EU時代のオーストリアが文化・観光国家としての魅力を世界にPRするための記念硬貨。

オーストリア 2002年 10ユーロ銀貨“アンブラス城（Schloss Ambras）”

2002年の10ユーロ銀貨は、インスブルックの名城“アンブラス城”を描いた記念コインで、ユーロ導入元年にオーストリアがハプスブルク文化を対外発信するために発行。裏面の宮廷楽団は16世紀の儀礼文化を象徴している。

ベルギー 1987年 5 ECU 記念コイン（カール5世デザイン）

1987年ベルギーの「5ECU」コインは、ユーロの前身である欧州通貨単位ECUの普及を意識した記念貨で、表にはヨーロッパ統合の象徴カール5世、裏には三言語の“Belgique/Belge/Belgien”。ベルギーがEU中枢として役割を強めていた時代の象徴コイン。

ベルギー 1980年 独立150周年記念 500フラン銀貨

1980年のベルギー独立150周年 500フラン銀貨は、国内の言語対立で国家分裂が進む中、王室と“1830年の独立”を国家アイデンティティとして再強調する目的で発行された記念銀貨。
EU統合を見据え、国内の統一を演出する象徴的デザイン。

ドイツ 1997年　ディーゼルエンジン発明100周年記念　10マルク銀貨

1997年のドイツ10マルク銀貨は、ディーゼルエンジン発明100周年を記念した一枚。統一ドイツが“軍事ではなく科学技術の国”として再ブランド化を進めた時期で、技術立国ドイツの象徴として発行された。

ドイツ 1994年7月20日 ヒトラー暗殺未遂事件50周年10マルク記念銀貨

1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件（ワルキューレ作戦）から50周年を記念したドイツの10マルク銀貨。鎖の巻きついた翼は、ナチ体制の抑圧と、それに抗う“ドイツ抵抗運動”を象徴する。
統一後のドイツが世界に向けて「反ナチ国家」であることを示す象徴的な一枚。

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歴史・文化・政治…
いろんな“時代の波動”が刻まれた銀貨たちを、
実際に手に取って感じてみませんか？

写真だけじゃ伝わらない重み、質感、気配があります。

気になるコインがあれば、ぜひお店に遊びに来てください。
厳選した“物語を持つコイン”を揃えてお待ちしています。